2010
03
[住宅]
南向きに大きな窓をとることができるなら、冬は暖かく、夏は涼しい家になるという好例がこの「調布の家」である。
夏と冬では日中の陽射しの角度が大きく異なる。東京でいえば夏至は78度、冬至は32度。その差なんと46度!
つまり、南向きの窓に庇があれば夏の陽射しはカットでき、冬は庇があろうとも部屋の奥まで陽射しが届く。
建築主の奥様いわく、「おてんとうさま、様様!」
さらにこの家では風通しをよくすることにもこだわった。
夏の風通しをよくする条件は以下の4つである。
1 南に大きな窓を設置すること。(東京の夏は南から風が吹いてくるから)
2 北に小さい窓を設置すること。(風が出ていく窓は小さいほうが吸引力が働く)
3 これらが一直線上に並ぶこと。(風が通るルートの確保)
4 南の窓は低い位置に、北の窓は高い位置に設置すること。(高低差があることで圧力差となり、流れを誘引する)
この「調布の家」では、南向きのバルコニーに大きなテラス窓を、対面にあるロフトに北向きの小窓を設けた。
ロフトを4人の子供たちの寝室としているのだが、この風通し効果のおかげで、夜は冷房を入れずにぐっすり眠れるとのこと。