2005
08
[住宅]
原広司に師事し、梅田スカイビル、JR京都駅ビルなどを担当していた頃は木造とは無縁であった。その後、ヨーロッパ、特に北欧を旅したとき、アルバー・アアルトをはじめとした木造建築に心を打たれ、住宅こそ木造で作りたいと思っていたタイミングでいただいた、初めての木造作品である。弧を描く柱は菅平高原で育った樹齢40年のカラマツ。羽目板、フローリングはヒノキとした。木の柔らかさをさらに高めるのが光の取り入れ方、光のミキシングである。ガラスブロックを通した拡散光。ハイサイドライトから挿し込み、季節、時とともに変化するスリット状の光など。そして家族皆が集まり、個々のそれぞれの自由な活動を許容する長さ5.3mの大きなテーブル。竣工当時の白木から様変わりし、すっかり飴色になった空間は家族の成長でもある。